ここは、アイディアが止め処なく噴き出す 「ブレーン・ストーミング スペース 」
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出典 情報マネジメント用語辞典
「ブレーンストーミング」 brainstorming / ブレスト
集団(小グループ)によるにアイデア発想法の1つで、会議の参加メンバー各自が自由奔放にアイデアを出し合い、互いの発想の異質さを利用して、連想を行うことによってさらに多数のアイデアを生み出そうという
集団思考法・発想法のこと。省略して、「ブレスト」「BS」などともいう。 その背景には“本人にとってはつまらないアイデアに思えても、ほかの出席者には別の素晴らしいアイデアをひらめかせるかもしれない”という
考えがあり、自由な発想でアイデアを生み出すことで、ほかのメンバーの頭脳に刺激を与えることを狙う。
米国の広告代理店BBDO(現BBDO Worldwide
Inc.)の副社長だったA・F・オズボーン(Alexander F.
Osborn)が1940年前後に考案したもので、「頭脳に突撃すること」として、このように呼んだ。
オズボーン自身は、「討論参加者の1人がアイデアを出すと、彼はほとんど自動的に別のアイデアに対する創造力をかき立て、同時に彼のアイデアは、ほかの参加者全員の連想の電源を刺激する」と述べている。
ブレーンストーミングを行う際には次のようなルールがある。
典型的なブレーンストーミングは5〜10人程度の参加者(ストーマーともいう)で行われ、その中でリーダー役が問題やテーマを提起し、記録係(場合によっては、記録専門)が出されたアイデアを記録していく。
簡略化した形で通常の会議でも適用できるテクニックだが、意思決定や調整には役立たない。
出されたアイデアは、ブレストとは別に整理・分析を行い、真に独創的なアイデアを抽出したり、問題点の洗い出しなどの作業を行っていく。日本ではKJ法との組み合わせで使われることも多い。
「KJ法」 けいじぇいほう / KJ-Methods
無秩序で雑然とした定性データ(事実、意見、アイデア)群を、一度カードや付箋(ふせん)紙などに分解し、これを人間の直観力を用いて図解・文章に統合することで、意味や構造を読み取り、
まとめていく方法および思想の体系。 漠然としてつかみどころのない問題を明確にしたり、思いもしない解決策・新しい発想を得るために用いられる。個人の思考と集団のそれをほとんど区別
しないため、個人の発想技法としてだけではなく、複数の人間による共同作業、合意形成などにも使われる。
基本的なステップは以下のとおり。
1. | 問題提起、テーマ決定 |
2. | データ収集 |
外部探検:取材、調査、観察、先行資料などによってデータを収集する。 | |
内部探検:内省、思い出し、ブレストなどによって個々人の頭の中にある知識や経験を取り出す。 | |
3. | ラベルづくり |
得られたデータをラベル(カード、紙切れ、付箋紙、マグネットシートなど)に記入する。1枚のラベルには1つの事柄だけを誤解を生じない具体的で簡潔な表現で文章化する(単位データ化)。ブレストの場合は、会議中にラベルを作っていく | |
4. | グループ編集 |
ラベルひろげ:机の上などにラベルを順不同に広げて内容をよく読む | |
ラベル集め:ラベルを順に手に取り、印象として似ているもの同士を近くに寄せてグループ(小グループ)を作る。似たものがないラベル(離れ猿・一匹狼)は、無理にグループ化せずそれ1つでグループとして扱う。既存概念で分類するのではなく、直観で親近性のあるものを集める | |
表札づくり:集まった小グループに表札(見出し)を付ける。概念化、類型化するのではなく、ラベル群がいわんとすることを具体的に表現する。表札ラベルを一番上に置いて、小グループを束ねる | |
小グループの束を広げて表札の内容をよく読み、再び似たものを集めてグループ化を行う。小グループから中グループ、大グループとグループ化を繰り返し、数個にまとまったら作業を終える | |
5. | A型図解化 |
空間配置:グループ化されたラベルの束を机の上などに並べ、表札ラベルの内容をよく読み、意味関係の配置を見いだす | |
図解化:ラベルの束同士を線でつないだり(相互、対立、原因・結果の関係などを表す)、囲んだりして図解する | |
大グループの図解を終えたら、中グループ、小グループの図解を行う | |
6. | B型叙述化 |
文章化:ラベルの束、あるいは図解から文章を書き起こしていく。時間的前後関係に展開することで、図解の誤りを発見したり、新たな発想やヒントを得たりする | |
口頭発表:文章に代えて口頭での発表を行い、議論を深める |
広義にはこのステップ全体がKJ法だが、狭義にはラベルづくりからA型図解化・B型叙述化までをいう。ビジネス分野ではA型図解化まででストップする簡略型が使われることが多い。
B型叙述化を行う中で出てくるヒントや仮説をラベルに採集して、再びグループ編集からKJ法のサイクルを繰り返す「累積KJ法」もある。また、パルス討論、点メモ、衆目評価、多段ピックアップなどの
周辺技法も開発されている。KJ法は、もともと文化人類学者の川喜田二郎氏が学術調査(フィールドワーク)で得られた大量で雑多な資料を整理するために1950年代から模索していた方法で、その概要
を1964年に出版された「パーティー学」に記したところ、読者の関心を集めた。そこで川喜田氏は実技解説のペーパーを作り、そこに便宜的に自身のイニシャルから“KJ法”と記したところ、日本独創性協会
の年報「独創」2号(1965年)がその名で掲載し、定着したという。
KJ法は定性データを扱うほとんど唯一の体系的な問題解決技法(仮説発見技法)で、その簡便さゆえに学術研究の方法論としてだけではなく、品質管理(親和図法として知られる)、マーケティング、
新製品開発、ソフトウェア開発といったビジネスシーンをはじめ、教育、創造性開発、カウンセリングなど幅広い分野に普及した。ただし一般に知られているKJ法は背景にある思想性が省かれ、単純な
情報操作術として認知されていることが多い。本来のKJ法は、「仮説・検証」型の“実験科学”の前段階である“野外科学”の手法として登場したものであり、「事実やその情報の語りかけに素直に耳を傾ける」
という人間の感性を重視している。提唱された当初から「体験しなければ分からない」とされており、KJ法本部・川喜田研究所では研修コースや段位・級位認定、公認インストラクター制などを整備して、“正則な”
KJ法の普及に努めている。なお「KJ法」は、川喜田研究所の登録商標である。
参考書籍 |
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・ | 「発想法──創造性開発のために」川喜田二郎著/中央公論社/1967年 |
・ | 「続・発想法──KJ法の展開と応用」川喜田二郎著/中央公論社/1970年 |
KJ法に由来する情報整理法で、品質管理(QC:quality control)分野での呼び名。新QCの7つ道具の1つ。
バラバラの情報やアイデア、漠然としてはっきりしない問題を、言葉の意味合いの親和性によってグループ化・図式化することにより、問題の所在や本質を明らかにすることができる。
課題に関係する項目や要素が多数あって錯綜していたり、問題解決への取り組み方自体が混乱している場合に有効とされる。
手順は、特定のテーマに関して多様な考えを言葉として提出し、それらをカードや付箋紙などに記入する。そのカードを見て、関連性・親和性を感じさせるカードを直感で並べていき、
その集めた理由を記入した見出しカード(要約カード)を作成する。見出しカードで同じ作業を繰り返し、カードの数を適度に減らしたところで、カードを台紙などに配置し、枠線などを
書き込んで図として表す。その図を参照しながら、最終的に文書を作成する──となる。
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